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ゴムプレス成型技術

ゴムの成型方法にはプレス機を利用したプレス成型と切削機を利用した切削成形の2種類の方法があります。
プレス機を利用する場合は、金型を用いますのでイニシャルコストとして金型費用が発生します。金型とは「タイ焼き」の溶かした小麦粉を流しこむ鉄板のような金属に製品形状を彫り込んだ金属板です。タイ焼きと同じように小麦粉の代わりにゴムの原料を充填する事で、ゴム成型されます。
タイ焼きの型は数えた事は無いですが1つの型に同じタイ焼きの形状が10個程度彫りこまれており、一度に10個のタイ焼きを生産する事が出来ます。

ゴムのプレス成型でも同じように、金型に複数個の彫り込みを入れる事で一度に複数の製品を生産する事が可能で、生産性に優れております。したがって、イニシャルコストは高くなりますがランニングコスト(製品価格)は安価となり、量産品ではプレス成型で対応します。
切削機を利用した切削成形品は、ゴムの塊を削る事で製品形状を仕上げていきます。ゴムの塊を削りますので、金型を作る必要が無いためイニシャルコストはかかりません(DATAが無い場合はイニシャルコストとしてDATA制作料が発生します)。
しかし、一つひとつ削りだす為、生産性が悪く製品コストは高めになります。また、削りのため形状によっては生産不可能な場合や寸法精度がプレス成型と比較して劣るなどのデメリットもあります。試作品や少量しか生産しない場合に対応します。

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ゴム成型の難しさと管理方法

ゴムのプレス成型はゴム原料に「熱と圧力」を一定時間くわえる事で加硫(※1)させます。
材質や形状により熱・圧力・時間の条件は変わりますが、東都では各製品毎の作業標準書をデータベース化させる事により、常に一定以上の品質を維持しております。
ただし、ゴムは「生もの」と昔から言われるように、材料ロットの違いや湿度、気温の変化によって成型条件が左右される事があります。これらの条件は標準化できない要因が大きく、東都では技術部と製造部が連携して日々の環境条件に合わせて、成型条件を変化させて対応しております。

※1:生ゴムに硫黄または塩化硫黄などを混ぜて加熱し、ゴムの弾性を増加させる操作。分子間に橋かけ結合を作るもの。和硫。硫化。(出典:大辞泉)

多色整形と異硬度成型

材料の色や高度の違う複数の材料を利用して一つの製品を成型することを「多色成型・異硬度成型」と呼びます。この複数の材料を利用する成型方法には2つの方法があります
一つ目は複数の材料を一つの金型に同時にセットする方法です。色や硬度の違う材料が同時にセットされますので、プレス機で圧力を加えた際に材料同士が融合し材料の「境界」が明確にでないデメリットがありますが、金型は通常の製造と同じ方法で造りますので金型コストを抑える事ができます。
もう一方は片方の色もしくは硬度のみを成型しておき、再度、金型に成型された半製品と材料を仕込みプレスする方法です。この製造方法は、金型コストがやや高めになりますが色や硬度の境界がハッキリと表れるメリットがあります。外観部分に境界が出てしまう製品や境界の間隔が狭い製品にはこの方法で製造します。

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ラバースイッチの導電チップ

ラバースイッチやキーパット、ゴムボタンなど様々な表現がありますが、ゴムを利用したボタンをプレス成型するときにボタン裏面に導電チップを予め金型に仕込んでおく方法があります。
導電チップはボタンが天面より押された時に、裏面の底部が基盤に接触し通電させる機能を持たせる為に必要なパーツですが、主にこのプレス時で成型してしまう「導電チップ」と印刷時に施す「導電印刷」があります。
導電チップの利用はコストが高めになる反面、安定した導電性を可能にすることと、裏面の面積が小さい形状で導電印刷で抵抗値が規定以上出せない場合に利用します。

※2009年度の展示会では来場者に「まるでシールのような印刷。手作業のレベルのシルク印刷とは思えない!」とご評価いただきました。

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